航空地方気象台は、航空機の安全な運航を目的に気象情報を提供している気象台です。府県の地方気象台が住民を対象にしているのに対し、航空地方気象台は運航する航空機を対象にしています。

日本には千葉県成田市、東京都大田区、愛知県常滑市、大阪府泉南市に航空地方気象台があり、新千歳、仙台、大阪、福岡、鹿児島、那覇には航空測候所があって担当区域の気象情報を提供しています。福井空港は平成19年まで福井地方気象台の分室が置かれて気象情報の提供をしていましたが、現在は東京航空気象台が通信回線で情報提供を行っています。

航空気象官署は気象観測を30分毎に行い、急激な気象の変化が起こったときはその都度臨時観測をします。府県気象台の観測資料は即座に発表されることは特殊な場合を除いてありませんが、航空気象官署は観測終了と同時に外部に発表します。

府県の気象観測種目は気圧、気温、湿度、降水量、積雪量、風向・風速、日射量、日照時間、視程(見通し出来る距離)、天気(晴・曇・雨・雪・黄砂など)、雲の種類・高さ・雲量、雲の進む方向などです。航空気象観測は府県気象台の観測種目とほとんど同じですが、細かい変化を観測します。例えば風向きは幅をもって吹いていますので、方位360度で表現して300度から10度の範囲で変動しているなど、また降水は積雲から降るしゅう雨か層雲から降る雨の区別、雲の状態は重要で、高さごとの雲の量を観測します。正確な雲低を観測するため飛行場にはシーロメーター(光や電波を雲に当て反射角から算出する)が設置されています。

なお、雲の種類は、世界気象機関で定められており、雲ができる高さや形状により次の10種類に分類されています。高いところにできる巻雲・巻層雲・巻積雲、中間層に出来る高層雲・高積雲、低いところにできる乱層雲・層積雲・層雲・積雲・積乱雲。積乱雲は雲の底は低くても成層圏まで発達する場合があります。

航空地方気象台は運航用飛行場予報を一日4回発表しています。この予報は航空機の運航用に使用され、飛行計画作成のために目的空港等の気象状態の把握、目的空港へ行けない場合の代替空港の選択、積載貨物・燃料の見積もり等に利用されます。この予報は国際的に交換されます。また予報の有効期間は発表後30時間です。

午前9時発表の予報文例は次のようになっています。平均的な風向風速は180度の8ノット(4m/s)、視程は4,000mで天気は弱い雨ともや、雲量は5~7で雲低の高さは800ft(航空気象はft、フィートを使う)高さ4000ftは雲量10で、弱い雨を予想するが、明日3時から5時には弱い雨ともやは終わり、視程は5,000m以上、最低雲層は雲量5~7で雲低の高さは4,000ftに変化すると予想する。とくに風の予想は重要で平均風速を10kt以上上回る最大瞬間風速を観測した場合は「G、ガスト」記号を添付します。雲量とは、全天を10等分して雲の占める割合をいい、全天を覆っていると10、半分は5、無ければ0となります。

10月の県内の気象状況は降水量はほぼ全域で少なく、嶺南では半分以下のところもありました。気温は全般に低めで、日照時間は多くなっています。(表参照)