長さ二間の大きな龍の欄間を彫る機会ありました。

 作品を見ることはあっても、どのようにして作られるのかは知らない方も多いと思います。その制作手順、様子をご覧ください。

 木造七間御堂…お御堂は格天井の立派な造りで中央が三間、両脇が二間ずつの長さがある白壁の欄間空間でした。

 中央に額が掲げられていますから、中央は長さ一間ずつの鳳凰。両脇には中央に束が立っていますから、それをまたぐ形で二間の長さの龍を作ることになります。

 普通、寺院には一間ごとに柱がありますから欄間の長さはだいたい一間です。

 長さ二間の龍を彫るのは、私にとって初めての仕事です。

■下絵制作

 まず、5分の1の小さな下絵を描くことから始まり、それを実寸大に拡大して下絵を完成させます。

 この中から御住職、施主様と相談して一つを選び、実寸大の下絵を描くことになります。

 とにかく大きなものですから、紙を広げただけで部屋がいっぱい。

 鉛筆・木炭で下描き、大きさ・形が決まるまで何度でも修正します。
 
 大きいですから机の上には置けません。床に広げて座って描き、立ちあがって全体を見ます。

 下絵をお寺の欄間の位置に貼り付け、頭部・脚・尾などの大きさ位置を検討します。

 実際に欄間の位置に貼り下から見ませんと、大きさ、位置が適当か判断できないからです。

 寺院ですから一旦取り付けてしまいますとそれ以後、何十年もそのままになります。

 この作業は時間・手間がかかりますが、みなさんで見ながら検討することが大切なのです。

 細かな部分を修正し、下絵が決まってから墨入れします。

 下絵への墨入れは、立体感が出ますから迫力が出てきます。これからの作業の基本図になります。