岡田武松博士(1874~1956、第4代中央気象台長)は、低気圧の動きを次のように体系化して「岡田の法則」と呼ばれています。

「低気圧が二つ現れると引き合って、先のものは進行が遅く後のものは早くなる。低気圧は高気圧を避けて通る傾向がある」

当時の天気図の海上は船舶の観測資料に頼っており、まばらにしか点在しないデータからこの法則を導けたのは、彼が10年間心血を注いで予報業務に当たって得た所産でありました。(岡田武松伝より)

今年の台風9号と10号の動きは「岡田の法則」が当てはまりました。8月20日9時に台風9号は北緯20度にあり、一方台風10号は遥か北の北緯32度にありました。約1200Km離れています。その後9号は北上して北緯30度に達して21日15時には追いつき、台風10号は迷走台風となって南西方向に進み、26日には沖縄の遥か南東海上で反転して北東進し、東北地方に上陸し、日本海に抜けました。

このようなコースは台風の統計を取り始めた1951年以来初めてのことです。太平洋の高気圧の勢力が弱いのも一因ですが、8月に北海道に3個も上陸するのは珍しいことです。

高層天気図を見ますと8月下旬の中頃まではチベット高気圧が強く日本付近に張り出し、一方太平洋高気圧の張り出しが弱くなっていました。台風の進路もこの影響を受けたものと考えられます。

今年は台風の発生が遅く、7月は4個、8月は7個で発生数は11個となっており、平年の13.6個に比べて少なくなっています。

県内の8月の気象は、降水量は月の半ばまでは少雨傾向でしたが、その後前線と台風により嶺南や嶺北の海岸部では多く、嶺北の山間部では少なくなりました。気温は嶺北の一部を除いて平年より高く、日照時間は多くなりました。

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